そらごと/蠍星
 
んに足のうらをつけているから
ぼくらが自由になれないのは
あたまの上に空があるから
ぼくらが自由になれないのは
ぼくらが自由になれないのは

(籠のなかに鳥がいて)
(かれはぼくよりも)
(空に近いところで生まれたって)

ぼくらは空の殻を
つき破れるようになったそうだ
銀色のちっぽけなえんぴつで
不安になるじゃあないか
空は変わらないのか
その向こうがわに
とめどないくらやみが充ちていると知って
生まれたての雛鳥たちは
羽ばたくことをもとめていられるのか

(うすぐもり)
(陽はきょうもななめ)
(空はなぜかぼくにだけよそよそしい)

何百億のあこがれにいま
空が耐えかねようとしている
なんて気のちがったことをつぶやいた
すべてぼくの気のせいならば
いいのに

戻る   Point(4)