いじわる/暗闇れもん
睫に触れるしずくにまで嫉妬していた
外は雨が降っているらしい
冷たい手のひら
コートから湯気がたつ
ベッドから身動きもせずにそっと盗み見る
ソファーに腰掛けて
上着や靴下は無造作に脱ぎ捨てられた抜け殻のよう
明日になればまた新しい殻をかぶり
外へと飛び立っていくのでしょうね
小さなテレビの音に、もれる光の渦
泡のはじける音につづいて、喉がなる
そうっと近づく
アルコールのにおい
しずくが落ちて
頬をぬらす
つめたい
あたたかい
あったかい
おかえり
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