ピテカントロプス/……とある蛙
ったまった
待っている間に彼は眼が悪くなった。
鼻が利かなくなった。
木登りが疎ましくなった。
そして、生きている意味を考えるようになった。
1匹だけ掛かった魚は、
赤い色の魚で腐ったような臭いを発していた。
それを貪り食らって
突然恥掻きっ子は脳髄を重く感じた
地上に降り立った彼は真っすぐ天を仰いだ。
天頂には黒い月が輝き星一つ無い。
右腕を真っすぐ上げ
彼は天頂の黒い月を指さした。
彼は 今 ヒトになる。
そして、
そして、孤独、寂寥感
悩みという名の荷物を背負って
来た道と違う黄色い道を歩きだした。
ゆっくりと
戻る 編 削 Point(7)