ピテカントロプス/……とある蛙
始めは静々と歩み始めた恥掻きっ子は、
獣道を中腰で歩き続けて、
水のある川岸まで
キョロキョロしながらたどり着いた。
川岸の潅木は少し腐りかけていたが、
得意の木登りで川岸に張り出した枝にぶら下がり、
裂いた蔓の皮の先に死にかけの虫を括りつけ、
淀んで腐った臭いのする水面に垂れ下げて
粘り気のある波紋は
奇妙な黄色い発酵ガスを撒き散らしながら
枝の上にぶら下がった恥掻きっ子を直撃した。
臭いに目眩を感じながら恥掻きっ子は、
魚影は褐色の水面の下に見えないのだが、
彼は赤い顔をしてじっと我慢して待った。
待った待った待った待った
まったまったまった
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