傷だらけ/within
それは何かの予言のようで
空の七割は雲に覆われていて
甘く温かいホットミルクに
頑なな心まで溶けて
買い置きしておいたバナナは
黒い斑点だらけになり
みずみずしさを失い
しおれていたが
剥いてみると
腐っているわけではなく
どこか枯れた甘みがあった
流れてくる血液に棲む日常
覚えていますか
生まれてきた喜びを
擦り切れた袖を縫う夜に
煌々と光る蛍光灯
生まれ落ちた瞬間に
頂点を迎え
私は沈み続けています
眠れないのは 明日来る邂逅に
怯えているから
もうこんなことなら
やめたほうがいい
報われないことの方が多いんだから
そんなに失望す
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