窓。/hope
 



「アタシとは違う、のね」

なんて言ってしまったら、
きっとアナタは黙り込んでしまうのかもしれない。
理解したはずなのに、わからなくなる。
そんな不安なんて、この世界には不必要なはずなのに、ねぇ。
アナタが背伸びを辞めようとしなかったように、
アタシも背伸びを辞めるつもりはなかったんだよ。


ママもパパも優しかった。
背伸びをして、やっと見えた窓の向こうが怖かった。
だから真似なんてできなかった。
アタシは大人になんか、なりたくなかった。
だからアタシは背伸びを辞めたの。
そしてアタシは20歳になりました。


「泣きたくないから、笑うんだ」


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