点と線/吉岡ペペロ
 
木漏れ日がふたりの影を白くさせていた

背の低い常緑樹のしたで

ぼくは自身の人生の蹉跌を話していた

きみを否定するような言い方で話していた


ぼくはじぶんの私利私欲に胸を焼かれていた

じぶんに大義名分を言い聞かせていた

相手に伝わったことだけが正しいのだ

正しいことが絶対ではないのだ


ぼくは随分と靴を擦り減らしてここまで来た

ひととの別れやなくしたものへの哀惜

無念だった、ただ無念でならなかった

きみは怒りを飲み込んでぼくから去った
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