『神を噛んで。』/川村 透
 
の実のようにずくずくと濡れて光るわ


カミオカンデ
わたくしは清らかな水がひかりを捉えるように
蒼い聖なる水球に神さまの約束をしるしまする

脳髄、という子宮の奥にまで届く、カミノコトバ
なにも求めず、なにも孕まず、なにも生み出さず

--わたくしはかみさまをおくちにふくんで
 わたくしはかみさまのかたちをしたでなぞって
 わたくしはかみさまのおことばをたべてしまいたい


--みずみずしいあのお方は皮をむいた桃の実のようにずくずくと濡れて光るわ


カミオカンデ
わたくしは神を噛んで。噛んで噛んで噛み千切り咀嚼します
びくびくと溢れるつぶつぶの紅い水球、ごと
ごくり、
と飲み干しまする。



--つぶつぶの『神を噛んで。』応える水よ



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