選択と削除/結城 森士
 
本当はただ、楽しいお祭りをしたいだけなのだ。
誰を苛むことなく、誰も悲しむことなく
誰もが誰かを気遣い、何か不都合があれば皆で協力し
何か悲しい出来事があれば、皆で悩み、それぞれに考え
現実を忘れることなく、夢におぼれることなく、建設的に、合理的に
それでいて開放的に、人のために理性を働かせ、
みんなが笑顔になれるといい。
悲しみを共有できれば良い。

出来るわけがない。笑えばいい。


僕が子供だった時、共感してくれる人はもっといたと思うのに。



自分の将来を考えた時、僕の未来はこう言う。生きるなら、選択しろ、消去しろ、整理しろ、捨てろ、排除しろ、戦え…。何かを捨てて、何かを生み出せ。奴らは、変化を求めているのだ。

でも、よく耳を澄ましてほしい。奴らの言っている内容を突き詰めてみてほしい。彼らはこういっているのだ。

生きるなら、殺せ。
生きるなら、選択しろ。
選択しないのなら、死ね。

僕らはただ、楽しいお祭りをしたいだけだったのに。
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