傲慢/空都
お葬式に行った。
友達のお母さんの。
泣いてる人は沢山いて、
あたしのお母さんも、その隣の知らないおじさんも
こぼれる涙をハンカチでぬぐっていた。
あたしは何故か泣けなかった。
こらえていた訳ではないの。
本当に何も出なかっただけ。
そのあと、友達のところに行ったら、
友達はあたしも知っている人に
抱きしめられていた。
泣いてたよ。
どっちも。
その姿を見てみんなまた泣いていた。
あたしの目も潤んだ。
だけど気付いたの。
それは本物じゃないって。
その映画のワンシーンのような光景に
流されているんだ。
同情しているんだ。
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