『刃零れ落ちたらサヨウナラ』/Leaf
める夕影
肌荒れに発疹で引っ掻き傷
挙げ句は瘡蓋、ワタシは絆創膏だらけのイチ皮下細胞
そう、認めたくないけど自分の身体は脆弱な単細胞で出来ているんだ
何がなんでも瞳孔だけはしっかり見開いて
左右ギョロギョロ確かめて
あ、
物騒な口は仕舞って
マスクをすれば知らんぷり出来るか
全てが消滅する訳じゃない
柔らかな繭の糸に包まれたくて吐き出す白い空
ポッケに手を突っ込んで足早に去る
街ゆく人たちの雑踏に揉まれた綻びを見つけてくれよ
一体全体、自分の居場所は何処なんだ?
歩幅狭く、歩数多く
せかせか、せかせか
みんな襟たてて急ぎ足で家路に着くんだ
埃被った砥石でも削られ凹んでゆくのだけれど
誰に磨かれるのかなんて
誰が磨くのかなんて
全く気にしない
ただ単に其々の巣に還るだけ
でも、それでもきっと
刃零れ落ちたらサヨウナラ
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