芳香師/番田 
 
どこに自分をなくして失っていくのだろう
座り込んでいる 
ひとりですらない 僕は 
居場所すらわからない
けれど 風は流れるだけだ 確率は少ないのだろう 
確かな体はひとつの場所にさせられている
流れにとまどっている石ころ
ブランドの
フレグランスものを手に取れば
さくらんぼとは趣の異なるような 遠い世界を
挑んできた体に
広がりのない最寄り駅を訪れて
あろうものとして 描いていく

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