川で洗濯する女達/瑠王
 
サングリア

サングリア

サングリア

三対一の割合で男の空気は無いに等しい
隔てたテーブルがまるで川のようだ
反対岸の草陰から覗いているような
そんな気分になる

女達は曝けた足を組み 煙草に火をつけ
ルージュのついたグラスを船のように揺らし
男の知らない哲学と世界を唱えている
男の沈黙は猫に似ている
手にしたビールがちょうど毛糸の玉のようだ

これで仏ワインでも持ち込もうものなら
オルレアンの乙女が降臨するよ
神の掲示の標的はもちろん猫だ
百年戦争が起きる前にしっぽを巻いて逃げようか

しかし神秘の根源だけあって
女達の笑い声は生命力に満ちている
そして女達にはソファがお似合い
ああ、男だな やはり女はいい
さて、同士を見つけてそんな話をしよう
女も男も夜はこれから


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