冬夜-とうや/
いのせんと
ねぇ、冬夜
雨はもうすぐ雪になりそうだよ
ほら、もう太陽の落し物たちは
息を潜めてしまったよ
だから、ね、冬夜
私の冷たくなった指先を
焦がすのは君の唇だけ
柔らかい髪が流れ落ちるのを
じっと見つめたまま
濡れる視線は捉えられてしまったから
私、動けないでいる
ねぇ、冬夜
寒い夜だね
冬夜
側にいて、ずっと
温もりを感じさせて
小さく刻む鼓動に包まれて
眠らせて
ねぇ、冬夜
もうすぐ雪だよ
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