常設されない夜/Shaka
は生まれた場所へ帰って行く事が出来る
月が地平に帰るように其処に行けば良い
昨日笑いながら旅立って行った少年が
違う笑顔を提げて帰って来る
昨日泣きながら見送った少女が
違う涙を流しながら
同じ場所で待っている
解けた手紙から飛び出した写真が夜に帰って行く
街は終息へと向かう手筈を整えて、一つ一つを寝袋にしまって行く
朝が仕度を整えて傍らで出番を待っている
*(終演)
夜光虫は泳ぎ疲れて
大海の懐深く抱かれて眠る
目指した夜の涯に
遠く想いを馳せて
━終━
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