名付けてしまう/あぐり
{引用=
なんでだろうかものすごくかなしくなって
デスクトップをじぃっとみつめているうちに
呼吸するように当たり前だとなみだが零れて
わたしの鼓動がものすごく頭に響く
しっかりとあたまのなかで
かんじへんかんをしようとこころみる
指がずぅっと動いていく這っていく
今日はもう痛いくらいに寒くてわたしは
キーボードの熱で指をあたためようとこころみる
生きることをこころみる
愛していると呟いている
呼んでも呼んでも届かない声はなんだか
なんだかすごく得体のしれないものでしかなくて
意味を意味を意味を
求めすぎるわたしには
この声の居場所がわからないことが怖い
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