冬の夜の霧雨/瀬崎 虎彦
鋼鉄のブリザード ザン ザン ザン
とレールの上をすべるように走りきて
重いこころ重いからだ思い 思い 残
しばらくして夕凪のような沈黙に抱きすくめられる
微笑して降る冬の夜の霧雨
寒さに耐えてタクシーを待ち
ああこのまま全てが続き終わる
そんなことを考えていた夜のこと
僕宛にめずらしく郵便が届く
僕宛にめずらしく言葉が届けられ
それは言葉である前に声であった
冬休みゆっくり過ごそうと考えていた
何をしてゆっくり過ごそうかなという
宿題が決まった シリウスの隠れた今夜
戻る 編 削 Point(1)