懐古/吉原 麻
 
横浜の郵便局のかげ曲がる畑在っても彼は在らず

ただそんなことを思って珈琲を手には同じ銘柄の煙草

靴先を鳴らして白線を踏む仕草にさえ一筋つたう

さいごだと線香の先灯すけどこらえきれずに明日もまた来る
戻る   Point(2)