フォコ/キリギリ
 
むらさき色が歩いてくるどうやらここまではこれないようだ
耳がスピーカーから逃げたがる愛とは素晴らしい愛とは素晴
らしい賑わっている壁を通り過ぎる人並みが人ごみになるまで
あと何分くらいだろう何やら神聖な木に吊るされた光でぼやける
生命がぼやけているコンセントだと思えば入れられる穴に差す
口に触れて歌う賛美されるものは遠くおそらく不在ただの重さで
ぶら下がるただ風で揺れている1度冷たくなったあとで燃える
チキンをついばむカラスの群れが手足を自由に絡ませている元気を
出せばOLになれるのかそれとも違うものになるべきなのか捨てら
れて命拾いした赤子と同じスピードで橋を渡り霧に濡れる接合
世界は割り箸で出来ているだから地球にも優しい枯れては継ぎ足す
井戸のようにひけらかす存在が手持ちの夜を使い果たす頭蓋に
収めたカボチャが腐る甘い匂いをさせながら最適な哀願の言葉を
探すびよびよびよびよ劣化する静謐な沈黙が静物画になる頃に
土人の気持ちでまたおいでフォコ。
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