ふたごの星/あぐり
{引用=月の無い空に踏み出した
僕らの星が降る
綺羅星よ、名も無い僕のカタルシス 溢れるきみの瞳を舐めれば
吐く息が溶けてきらめくこの町の 空を見上げるまなざしのおと
珈琲と毛布をかかえた僕たちは 鍵を棄てて夜空へ一歩
ささやきと水銀灯に沈む夜 愛して。僕ら眠れぬふたご
消えていく緑の光であやとりを すれば僕らの視線、からまる
頬も手も、唇も睫毛も星に冷え しゅらしゅら夢に流れて死にたい
眠れない今日はきみが抱いていて 褪せないくちづけ降れよ星たち
僕らはこの夜に
いったいどれだけの流れた星
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