豆狸。/菊池ナントカ
 

豆ダヌキが僕ん家に来た。
豆ダヌキは僕が一番会ってみたかった妖怪だ。

ひょうきんな顔で食べ物をねだった。
今日は風が強いから、
流石の自慢の外套を被っていても豆ダヌキは寒そうにしている。

僕は急いで袋のインスタントラーメンを作って渡した。
豆ダヌキは、ひょいと会釈するとラーメンどんぶりを抱えてチタチタ歩いてゆく。

また来いよ!
と声を投げ掛けたけど、
電信柱の小さな光の道を豆ダヌキは足を止めず歩いて行った。


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