豆狸。/
菊池ナントカ
豆ダヌキが僕ん家に来た。
豆ダヌキは僕が一番会ってみたかった妖怪だ。
ひょうきんな顔で食べ物をねだった。
今日は風が強いから、
流石の自慢の外套を被っていても豆ダヌキは寒そうにしている。
僕は急いで袋のインスタントラーメンを作って渡した。
豆ダヌキは、ひょいと会釈するとラーメンどんぶりを抱えてチタチタ歩いてゆく。
また来いよ!
と声を投げ掛けたけど、
電信柱の小さな光の道を豆ダヌキは足を止めず歩いて行った。
戻る
編
削
Point
(4)