初雪/小川 葉
 

一晩中
瞬き続けた星たちが
あんまり淋しいものだから
朝になると
雪になって降るんだよ

一日中
降り続けた雪たちが
母さん恋しいものだから
夜になると
星になって瞬くんだよ

はじめて
一人でできた時
遠ざかる
母さんの子守唄が
流れ星になって
瞼からこぼれるんだよ

淋しさと恋しさを
繰り返して
僕らは大人になるんだよ

君にはまだ
大人になんかなってほしくない
だから小さな手を握りしめ
寝顔を見つめているんだよ

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