服を崇めて/番田 
 
口の中に何もない 僕は
歩く 夢へ身をひとつに 抜けさせられていく
深海をそうさせられながらすり抜ける
そして 深海として あるがままだ

サメがいるのだろう
悩みには サメではないものもいるのかもしれない
山羊の掟を書くのは僕
僕ではなくなった 口の中には 気化したけれど

新しい服を買った
新しくなくならさせられた あのポリバケツに捨てた
破片になった ただ新しい服であることを
今日は月曜日 電車で新しくなくなった 服を買った

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