空の背骨 /服部 剛
僕は君という詩が好きだけど
僕は君の望んだ詩になれずに
やがて別れの季節は、訪れる。
なにをどうしようと
足掻いても
誰のせいというでもなく
仕方のない、ことがある。
僕は遠のいてゆく君に
ここから
音の無い声援を、贈ろう。
今迄
笑い合ったいくつもの場面よ
互いの盃を重ねた語らいの夜よ
ありがとう
僕はいつでも、ここに、いる。
静かに佇み、ここに、いる。
これからも僕は
一人ひとりの色んな顔を浮かべた
石ころ達を
この両手に包み
一つずつ、積み上げてゆく
不思議と崩れぬ
石塔が
大きな空の
確かな背骨に、なる日迄。
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