退屈の向こう側/八男(はちおとこ)
そうして走っているうちに
画用紙の上には
うすい靄のようなものがかかっている空間が
あることに気づくだろう
そこが退屈という空間だ
そこさえかわせば簡単に退屈は避けられる
またそこにさえ入れば即座に退屈になれる
退屈に入ったら 立ち止まってゆっくりあたりを
見まわしてみよう
かなり遠くの方に赤いドレスを着たお姉さんが
手を夜空にかざしながら踊っているのが見えるだろう
その手が指している先には
あまりに情熱的な三日月が黄色く燃えているはずだ
女のステップと退屈が見事に調和されていて
そのグルーヴ感に
あなたは耐えられなくなるよ
はぁー 退屈 退屈 退屈
音頭ー
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