遠回りした夜/砂木
五時に会社を出て車で演奏会場に向かう
吹奏音楽団に入った甥のデビュー
トロンボーン奏者として舞台に立つのだ
まだ高校生だし来春からは社会人
でも誰も止める事ができなかったデビュー
ひとめ見たかった
右折すると会場に行ける
赤信号を右よりで待つと後ろから救急車がきた
私の車がふさいでいた
どうしようもないので左折の方へ行き左折
救急車が赤信号を通り過ぎる
少し遠回りをしたが 演奏会場に着いた
チケットをわたし席について演奏を聞く
十代から五十代までいる社会人の楽団
聞く人々の年代も幅広くたくさんいる
大人達に交じって真剣に演奏する甥
クリスマスソングなどに湧く
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