焚き火がしたかっただけなのに/草野春心
 
混濁させる
   次に来るのは
   直立したアイス・ピックさながらの覚醒
   ひと缶ぶんの瞬間を
   途方も無い永遠で希釈した
   覚醒
   冬の朝のビールは
   だから人の一生のようで
   人類の運命のようで
   でも
   どうしようもない阿呆なのさ



 冬の朝のビールは
 でも結局は冬の朝のビールだ
 もうこれ以上深入りはよすとしよう
 テレビの電源ももちろんオフのままだ
 かれらがこれまで何を映してくれた?
 かれらがこれまで何を見させてくれた?
 ……この件も深入りはやめだ



 僕の天秤は
 いささかというどころじ
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