詩との契約/カナシミルク
た盗人たちよ
わたしはあなたに違いない
いつかすれ違った魂たちのうちに
わたしの姿が重なっていく
泣きながら消えていった幾千の詩情よ
わたしがつないでいこう
独りの泣き虫として
しかしそれでもわが身を思わない日はない
十代の頃に出会った子等が
今は十代を迎えている
その連環の中に蹲る我が生涯を思わない日はない!
遠く星々の中に幸福よあれ
わたしの父よ母よ わたしは不孝者
あなたたちの望むらく幸福は
永遠にわたしから失われる
去りたまえ我が物思いよ
一つの機械となり死んでしまえ
思い上がりの中に住処などあっただろうか
悪魔が心の弱き者を助けるのであれば
わたしは悪魔になろう
すでに呪われたこの身なれば嘘なぞ存在しまい
真実のみが人々を助ける契約をわたしは果そう
このまま
我が弱き心ここに葬り去られれば
もはや行方もなく
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