アイマイミー・マイマイ/海里
 
どうして
閉じこもれる殻を
わざわざちっちゃくしたり
手放してしまったりして

寒い夜や冷たい夜にも
ひなげしや
パンジーの葉っぱに這っている
数ミリほどのナメクジたち

そんなにまでして
思い出したかったの
渇くということ
痛みというもの

どうして
忘れたままではいられなかったの
探すということ
求めるということ

泣いてもいいのに
ナメクジ
泣くことも
思い出したかったことの一つなら

鳴いてもいいのに
ナメクジ
きうきうと
きっとちいさな声で

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