中2の冬/嘘而
 
が青くなるのを待つ
ありきたりな時間
ありきたりな時間なのだ
毎日同じことの繰り返し
毎日同じことの繰り返しなのだ


泣きたくなる自分を慰めながら
横断歩道をわたる
ほそい道にでる
大きなトラックが
ほそい道に走ってくる
ここでこのトラックにひかれて
わたしが死んでしまったら
いったい何人の人が
泣いてくれるのだろうか、と
本当に
本当に意味のないことを考えたりする


トラックをよけて
わたしは再び歩き出す
家に帰るために
歩く
トラックが通り過ぎた後
臭い匂いが、わたしを包む


排気ガス
排気ガスの匂いだ
これが
人間の匂いなのだろうか
もしそうだとしたら
ちょっと悲しいなと、思ったりもした



ちらりと見た今日の夕暮れは
目が潰れるほど
わたしが消えてしまうほど
世界が笑ってしまうほど
ただ単純に、純粋に、
美しかった。
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