中2の冬/嘘而
真っ暗な道を歩く
家に帰るために歩く
息が白くて
寒くて
視力がだんだんおちてきたせいで
星は見えない
赤いマフラーをつけた
上級生数人が
わたしの横を通り過ぎる
足が細くて、カーディガンが似合ってて、
羨ましいと
思ったり、思わなかったり
今日1日のことを振り返る
帰ったら宿題をしなきゃ
ああ、でも
明日は土曜日だから
日曜日の夜にまとめてやろう
そんなことを考える
つい最近聴いた
お気に入りの歌を
小さな声で歌いながら
帰る
とちゅう、歌詞を忘れてしまって
記憶力のない自分に腹が立つ
大きな交差点にでて
信号が青
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