『かえるのこ』/東雲 李葉
 
国語の時間にはきれいな言葉を集めていた。
先の先のページまで読んでノートにたくさん、たくさん書いた。
すると後ろの女の子たちが、
「ねぇ、ねぇ、何書いてるの」って、おさげを引っ張って笑うから。

「弔いの言葉よ」って、
喉の奥でつぶやいた。





算数の時間は、あとどれくらいで終わるのか。
授業とか、学校とか、10代とか、人生とか、
とにかくいろいろ逆算するのが好きだった。
あとは誰も知らない生年月日を、
足したり、掛けたり、引いたり、割ったり。
自分につながる数字ってなんだか特別な気がしてた。





社会の時間
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