火星に生命がいた可能性/瑠王
 

いでいる
その天変地異は
彼の着ている紺色のセーターの中にその世界があって
彼のセーターが静電気を起こしてしまっていることが原因であって
神の怒りでもなんでもなかった

そんな何も知らない彼がいるこの世界は
今度は銀色の象の象牙でできたピアノのミとファの鍵盤の隙間にあって
銀色の象の象牙でできたピアノを弾く老人は
戦争で多くの命を奪ったことを後悔して過ごしている

そんな彼の弾く銀色の象の象牙でできたピアノは
火星の地表から約150m下の空洞にひっそりと設置されているのです

いつか僕らは見つけてしまうかもしれないけど
知らないままの方がいい
だって、じゃないとばれちゃうでしょう
僕が林檎をかじっているのが


そんなことより、
かじった林檎は何処に消えちゃったんだろう



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