連詩・『十三不塔』/東雲 李葉
 
一、「海底摸月」

指の間から零れ落ちる月の音。


※※※


二、「七対子」

なかないで。片割れを探して。
私たち一人じゃ生きられない。


※※※


三、「二盃口」

似ているけど、
私たち別の心で
一つのかたち。


※※※


六、「清一色」

不純物は排除せよ。
混ざりものに染まるな純潔。
劣性者は淘汰せよ。
唆されずに誇れ純血。
鳴くな位を落としたいのか。
風も役も捨てされ清く。


※※※


十三、「十三不搭」

寄る辺はなく依る瀬もなく、
友とは出逢わず陰風一陣、
こうして崩れ往く様を、
何とはなしに眺める。
時を経てずに瞬間、
荒野から聳える、
二つだけの塔、
友とは一対。
果てには、
花舞い、
鳥と、
風、

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