ほしい/唐草フウ
 

さよならの中に余っている
わずかな約束の匂いは落ちていく
雨はバチバチと乱反射して
奥歯の痛みがじんわり酸い
外界のこだまは身体より明日へ


ずっと探していたのに
もう通り過ぎる
ずっと見つけるために生きているのに
信号は渡り損ねて


ひえこくる


君は細い弦
僕は太い音
保つために

何だか秋に生まれたかったな
さらさらと感情を刈り取った跡地で
アンジェラスが鳴る


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