センター街のまえで/番田 
 

言葉の葉を
地面に散らしていく流線を
葉を手にして 白色をしていたんだって 
僕は 空をいつも見ていた

人の顔に見えた 口はなく 目は黒かった 
影と相まって 水蒸気のまばらな雲が漂い 
赤みがかってきては いつのまにか 暮れていたー 
夜は街の中に足を踏み込んで

空は流れていく
角から角へと去っていく ネオンは灯り 子供は路地に入り込み
労働者の足並みをさらうだろう 
教科書にはいない大人たちを知るのかもしれない


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