固い地面を蹴って/
瀬崎 虎彦
固い地面を蹴って足早に
バス停へと向かう襟元に
僕が贈ったマフラーが
暖かい空気を孕んでいる
声も手紙も届かない
それほど遠い場所に立って
あなたがどうしているかを
こんなにも気にしている
日差しが翳ろうとも
世界は光に満ちて
あなたは世界を描く
あなたがいなければ
意味などない世界に
かつて僕もいたこと
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