思春期の芸術的な衝動について/結城 森士
のを表現していたものが、技術を身に付けることによって、混沌を整理できるようになっていくからです。そうすると、彼らの内なる葛藤は昇華されていき、自分をコンプレックスの呪縛から解き放ち、言葉にならない叫びから開放されていくのかもしれません。
ですが私は、他人の受け売りの技術で上辺だけ体裁を整えることで誤魔化してしまった人が多いと感じています。
「本当の言語」とは、自分の力で、自分だけの言語を探してようやく得ることが出来るものだと思っています。私は、自分だけの、「言語」を身に付けるべきだと思っています。
そしていつか、自分だけの言語、自分だけの文法、自分だけの表現方法を会得したときに、ようやくその人は「思春期の初期衝動」ではなく、本当の芸術を描ける人になるのだと思っています。「僕は病気なのだろうか?」という歌を歌うことで、多くの思春期の人たちの心を救った24歳のモリッシーのように。
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