真空フラスコとティンカー・ベル/
umineko
ほら
こうして
鈴をつるしたフラスコの
空気をだんだん抜いていく
鈴の音はやがて
震えるだけの記号となって
あのフラスコにわたしは
どうしても
ティンカー・ベルを入れたいんだ
あの妖精が
か弱くはばたきながら
何かを必死で訴えるのを
わたしは
悲しそうな目で
静かに首を振るんだ
世界は
真空なんだよ
ティンカー・ベル
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