ニュートラル(ノルマ1)/uwyeda
まるで人形のようだった。
私は、もし人形であれば最高級の人形だったろうが、そうではなかった。
そうでありたかった。私はずっと人形でありたかった。
無機質なポリスは別段そのことに驚くでもなく、
ただ私を縄で締め上げ、熱く溶けたロウを垂し、カッターを口に突っ込んでそのまま頬を裂いた。
それでも私はまるで人形のようだった。
私は人形のようであるだけで、まったく人形ではなかった。
鋸を引かれれば血が噴き出し、骨が砕けた。
針と糸で縫い合わされても元通りにならなかった。
無機質なポリスは嫌々でもなく嬉々としてでもなく義務的にでもなく、
私を人形のように扱い、人形としての形をとどめておける限界まで、私を殴った。
やがて、私を吊り下げていた全ての糸が切れて、私は地に落ちた。
それでも私は泣き叫びも許しを請いも救いを求めもしなかったが、
私の望みは聞き入れられたので、別段問題はなかった。
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