朝のシンフォニィが奏でられる/
瀬崎 虎彦
季節は甘いにおいをさせて
生きた痕跡を残していく
死は果実の着地とともに
再生の希望を託す
もし声が種子のように
どこかで芽を出すのならば
それは共振する
土壌の中がいい
次第に気温が高まり
温室の中で僕は
目を覚ます
体はまだ思うように動かないけれど
意識は澄明になり
朝のシンフォニィが奏でられる
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