もう一つの黒い月ーメタフォルモーゼ・怒・寂/……とある蛙
底まで走り下りた。
谷底で水をがぶ飲みしていると
やはり水を飲みにきていたガゼルと目があった。
ガゼルは脅えるような目付きとなり、
俺が一瞬鳥に視線を動かした瞬間
何頭かのガゼルはは消えた
視界からあっという間に消えて行った。
谷を挟んだ反対側は
広大なサバンナなのだ。
俺の視線に再び視線を合わせた
不幸なガゼルが一頭
その一頭に飛びかかった俺は
ガゼルの首筋におのれの牙を突き立て引き倒し
前足の爪を胴体に食い込ませたまま
腹の減った俺は
食らった
食らった
食らった
鼻先にガゼルの血液をたっぷり塗ったくって
不幸なガゼルの内臓を食らった。
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