ぐっすり消化する/KETIPA
そして彼は吸収された
吐き気のする赤色の肉をしたたらせて
眠っている針葉樹林
脳を想像したことのない微生物の饗宴が
夜行われている赤い
肉は彼に吸収された
同調する振動が落ち葉
茶色くふやけて音楽的でない
時間を早送りしても変化は遅々とし
やまぬ
雨の代わりに雪は降って
点々と明かりの
したたらせて夜は赤い
つぶやいて
泡を口ずさむ針葉樹林
水滴と共に浮遊していった無数の肉体
彼らが科学の自覚はない
散布されていく彼は明かり
呼び寄せられて泡と振動の絶え間ない
鳴る夜
少しだけ和音の兆しで
月は参加しない
枯れ葉と若葉の散る緑
やがて
夜は赤くない
この次の彼まで
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