身を切られない別れ/うめバア
私たちは、生きながら風化して
何もかもが思い出になった時点で
その作業をやめたのだと思う
忘れて無関心が
最大の親切だという
この事実
あなたなしでは生きられないと思った
過去のばからしさは
素直に認めます
それはそれで
すばらしい日々で
美しい出来事だった
それはそれで
でも今じゃない
あなたの言うことを聞き続ける
おとなしくて物わかりのよい
学生はもういない
尊敬の名をかりた
支配からさようなら
愛や友情の美名のもとの
言葉の暴力からさようなら
できれば身を切られるような別れに
もだえ苦しみたかった
けれど
それはもう無理
だって、こんなに
せいせいしているのだもの
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