鳩の多い街/瑠王
死して尚も取引される彼
死を回避しながらも墓石に値をつける詐欺師の群れ
安らかな終焉にまだ続きがあったなら
それでも彼は穏やかに旅立っただろうか
シャーマン達が今日も街中で炎を焚いて
無責任なことを仰せてまわる
彼らは唄をうたっているだけ
全ては神のせいにすればよいのだ
数字達の教祖
視神経が心臓みたい、誰もが頷いてばかり
僕らの冷めきった上っ面を鳩の群れが飛んでいく
アネモネの夢を見た
街は花で埋め尽くされて僕は
誰もが赤いアネモネを咲かせて僕は
(いっそのこと、強い風を望んだ)
その時、空を飛んでいたのは
やはり鳩ばかりだった
つまり僕の深層
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