眠れない夜に/相田 九龍
 
眠れない日の
眠れない夜は
より明確に朝と繋がる
その夜で太陽は欠けもしないし
この地球の丸さを
完全に隠し去ったりもしない
どこまでも繋がっていくこの夜は
言ってみれば人生

人生を怖れるように
この夜を怖れる

すやすや
君のように眠りたい
眠っていれば
誰かが迎えに来てくれる
僕を迎える者はいない
朝がやってきてあれを食べてしまう
あれとは安息と呼べる何かだ
それを削り取って
何食わぬ顔をするだろう朝を
僕は迎えなければいけない
君のその閉じられたばかりの瞳が
愛おしい
安息を奪われてそれを選んだ
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