わたしが変化していた頃/
あ。
だった頃のなごり
きみのすき間からこぼれおちたため息は
体毛の退化した肌に巻きついてきて
体毛の進化した髪をそよがせてきて
溺れないようにかき分けながら酸素を探す
左腕に目を落とすと
小さなうろこが一枚生えていた
それを剥がすべきかそのままにしておくべきか
わたしはいつまでも迷っていた
遠い昔の思い出話
今の姿をあの頃のきみが見たら
一体なんと言うんでしょうね
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