冬の宿る/月乃助
るように、すでに
シャクナゲのつぼみが、寒さを押し分け夏を待つように、
秋の中には、春と夏も、またくる秋さえも含まれている
季節がめぐってくるなどと、簡単に説明をすることなど
できはしないのです。
■
つめたい雨にリンゴのにおいをかぐように はっきりと
今いる季節を認めてしまうことができるなら
その証拠が、街にみられるということなのですから、
取り違えてはいけないと
街を歩きながら
ひとり、自分の幸せだけを祈っては
あたしは、それを確かめて
いたのでしょうか?
}
戻る 編 削 Point(6)