人柱/森の猫
4人一組で
同じように橋の礎にされていく
他の娘たちは民族衣装で
着飾り 歓喜しながら
抱き合って泣いている
嬉なみだか
悲嘆の涙にも見える
いづれにしても
もう観念している様子だ
整然と並んでいる
あたしは力をふりしぼり
体を倒して
水の中に落ちた
また 引き戻され
頭から塗られる
熱いものを押し当てられる
の繰り返し
あたしは生きている
だれか・・・
必死に念じ続ける
そう思ったとき
目の前に
彼とその友人が現れた
あたしのことに気づき疑いの目で
覗き込んだ
あたし 生きている!
助けて!
声にならない声で叫んだ
おぉ!!!
あたしは助かった
・・・・残った娘達は今・・・
その団体は法の目をかいくぐり
未だ存在している
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