明日ここに捨ててゆく花を選ぼう/ホロウ・シカエルボク
うんだ
心に不安を隠しているとそうなってしまうものさ
一分がこんなにゆっくりと過ぎるとは思わなかった
長針があんな風に
なにかに躓くみたいにゆっくりと傾いているなんて
窓の外は夕暮れ
薄い赤がガラスに張り付いて
毎日にベールをまとった
俺のことを不思議そうに眺めている
お前の目的はあまりにも判りやすくて尊いから
俺が抱えてるもののことなんて想像も出来ないんだろう
世界を染めるのに飽きたら俺のところに来なよ
すっきりしないもののことならいくらだって話してあげられるぜ
明日ここに捨てていく花を選ぼう
あまり綺麗じゃなくて
だけ
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